保険のこぼれてはいけないこぼれ話 / Column

「あおり運転の被害」

ある五・十日に起こったの弊社でのあおり運転の被害の事案を一件、 ご案内致します。 市内にある弊社顧客のA社4tトラックで商品配送を終えて、帰社途中に交差点で横から他社(仮にB社)のトラックに割り込まれて、信号で強制的に止められB社運転手が降車してA社トラックに叫きまくった。

怖くなり逃げ帰ったのですが、社名がトラックにあったことから電話で猛烈に抗議があり、B社事務所に謝罪に来い、当て逃げで届けているから逃げられないぞと強硬な申し入れがありどうしましょうか? と弊社事故担当者に緊急連絡あり。

事案の流れと事実関係
  • 運転者本人に事故状況の確認/被・加害箇所の確認→要領を得ない・加害車両である痕跡がはっきりしない。荷台からはみ出していた鉄筋が60cm程有ったらしい→接触の確認出来ない。
  • A社事務所から警察への届け出を出して、警察官立ち会いの下で相手B社へ連絡するように手配のお願い。
  • 弊社の事故担当者が上記の確認の為にA社へ出向き、B社へ電話した。
    →猛抗議があり、とにかく警察へとなり、警察署へ出向く。
    付き合わせをするが両方に傷らしき痕跡が見当たらない。警察官とA/B社両共に。
  • 警察官の確認では双方に被害無し→???
    →検証と聞き取り+A社両ドラレコ映像確認の結果、A社が先に割り込んでそれに腹を立てたB社があおり、信号で強制的に停止をさせたが、そのまま逃走したので、B社運転手の気が収まらず①~に至る。

弊社事故担当者よりB社運転手にお怒りはごもっとも?ですが、「虚偽申告」にあたることを告げてそれでも来るならA社と共に戦わざるを得ないが如何ですか?との問いに、若干トーンダウンして訴えを警察官の面前で取り下げて解散です。

弊社事故担当者もA社に戻り、事の顛末とドラレコ映像を役員に見て貰い、会社で情報共有して貰ってとりあえずは、事故届が降りたので弊社は退散致しますとA社から帰社しました。

その顛末報告を受けて、素晴らしかったのは、A社社長がB社社長に電話してお詫びをされました。とのことで一件落着でした。流石、A社長様です。同じ姫路で仕事をしている以上、またどこかで 顔を合わすこともあるはずです。 円滑に日常業務に支障の無いようにとの配慮に感激しました。
→これで半日潰れましたが、A社運転者は、役員からおまえが発端じゃ!と説教の嵐もあった?そうです。

何よりも実質的な人・物共に被害が無く、A社の御困りのお役に立てたので弊社としては胸をなで下ろしています。

「被害者が実は加害者(起点者)」であったと云う話ですが、話が終われたのも被害が実質無かったからで、あれば、もめまくる要素「大」確定の案件です。

「あおられたのは自分が原因」という案件は、私的・体感的感想ではありますが、決して少なくないと思います。 運転の認識以外のところで相手に不快な思いや癪に障るようなことをしていることもあるかも知れないと云う可能性です。 多くの人が行き交う道路上でのことなので原理原則を守りながらも「べき論」だけの解決は困難な場合もあり得ます。 弊社の交通安全講習や重点キーワードは「お先にどうぞ」ですが、正にこのような案件には「どストライク」の話です。

「ご安全に」と併せて「お先にどうぞ」もお願いできれば、このような話はしなくて良かったと強く感じる1日でした。

この日は五・十日で忙しい中であったのですが、A社では役員は緊急連絡が入り、対応を余儀なくされ商談や支払い、集金も支障があり、多くの業務が徒労に帰す或る1日であったのでしょう。 あおりの被害者はA・B社社長及び関係者だったという顛末でした。
気をつける価値の高い、日常的な【こぼれてはいけないこぼれ話】です。

文中にある「虚偽申告の罪」や「詐欺未遂」について
毎日起こる交通事故では自分が有利になる、自分が不利にならないようにと人間は考えるものです。 しかしながら、その行為が嘘であったり、行き過ぎた場合には犯罪の領域に入ることもあり、その虚偽の申告により人が罪に問われたり、財産的被害が発生すると刑事事件等として扱われることもあるので注意が必要です。

2022年一年間のご愛顧に最大限の感謝と「師走」に向かい、ご健勝と皆様の交通安全をお祈りしています。